女性は妊娠・出産で大きくホルモンバランスを崩してしまいます。これは、赤ちゃんを守る為に仕方がない事なのですが、稀に出産後もホルモンバランスが正常値に戻らない事もあるので注意が必要です。それでは、それぞれのホルモンの影響を以下でまとめてみます。
エストロゲンの影響
妊娠時に必要になる女性ホルモンのエストロゲンは、妊娠を継続させる為に胎児の成長に合わせて子宮を大きくさせたり、母乳を作る為の乳腺を発達させたりする働きをします。エストロゲンとプロゲステロンは胎盤がある程度成長すると胎盤から分泌されるようになるので、出産直前まで増加傾向になります。そして、出産すると、双方のホルモンが急激に減少する(正常値に戻る)為、ホルモンバランスの影響を大きく受ける事になります。この時に、肌トラブルを引き起こしたり、抜け毛が急激に増えたりする事もあります。また、イライラが溜まり暴力的になったり産後うつを発症してしまったりする事もあります。
産後うつは出産後約5割ほどの女性が経験すると言われていて、エストロゲンが急激に減少する事が主な原因となります。エストロゲンが急激に減少する事で、セロトニン等の脳内神経物質の働きが悪くなることで産後うつを患ってしまうのです。ですが、これは一過性のもので身体の回復と共に治ると言われていますので安心して頂いても大丈夫です。しかし、稀に数年続く場合もあるようで症状が深刻になると自殺にまで発展する場合があるので注意が必要です。特に、産後の生活習慣の乱れなどが原因でストレスが溜まってしまい、産後うつが回復しないままずるずると長引いてしまう事があるみたいです。
プロゲステロンの影響
妊娠すると女性ホルモンであるプロゲステロンが急激に増加します。これは、赤ちゃんが成長しやすいように子宮内の状態を整え、胎盤を完成させる為です。また、流産を防ぐ効果もあります。以上の内容から、プロゲステロンが如何に妊娠時に重要な女性ホルモンであるのかと言う事が分ります。ただし、プロゲステロンはマイナス要因もあるので注意が必要です。妊娠を経験している方や、友人、家族の方が妊娠をしていて一緒に過ごした事がある方ならわかると思うのですが、妊娠中はイライラが発生したり、憂鬱になったり、感情の起伏が激しくなります。これはプロゲステロンが急激に増える事で、ホルモンバランスが乱れて精神的に不安定になってしまうからなのです。
このように感情の起伏の激しさは、個人差がありますが、周囲の人も大変になります。しかし、それ以上に本人が苦しんでいるので、パートナーの方の支えが必要不可欠となってくるでしょう。ホルモンバランスが崩れると、自律神経にも影響が出始める為、理性でコントロールする事は難しくなります。そして、プロゲステロンは紫外線の影響を受けやすくするメラニンの生成を促進させるのでシミ(肝斑)ができやすくなります。これらのシミ等は出産後自然に治るのでそこまで気にする必要はないのですが、稀に消えない場合もあるので、外出時は紫外線対策をしっかりするようにしましょう。